同窓会誌への寄稿文

旅行記「想い出はすみれ色」に寄せて。

 

大阪に在住していた姑が、嫁を「自分の卒業した鳥取県立高女の後輩から選びたい」と

同級生の友人に依頼されたそうで、図らずも私にお話があり、縁あって主人と結婚しました。

鳥取を離れて、慣れない大阪暮らしも2人の子供にも癒やされながら、徐々に慣れ親しんで行きました。

下の子が入学したのを機に、誘われるままD保険の外務員として働く事になりました。

それまでと全く異なる世界を経験する中で、徐々に馴染んで行き、退職する迄の四十数年間そこそこの成績を収めることが出来ました。

生命保険外務員の最高峰「MDRT」の会員も25回継続する事が出来ました。

世界70ヶ国の会員と交流する場所を巡る旅行が基本で、気の合った者同士がサークルを組み、年に二回、海外、国内、と仕事の合間に旅をしていました。

又会社でのご褒美旅行とか、顧客訪問の出張等、兎に角頻繁に出歩いていました。

写真が好きだった私は、その都度カメラを携えていましたから、結果アルバムが増え続けました。退職して断捨離を敢行する際、膨大なアルバムを捨てる前に記録として残そうと思いつき、「想い出はすみれ色」のタイトルでブログ作り上げました。ちょうど一年かかりました。海外は28箇所、国内では北は礼文島、南は沖縄と全て感動を貰った旅でした。

仕事をしながら自由気ままに動けたのは、1に健康2に家族の理解があってこその賜です。

海外28箇所の内米国が一番多く、六つの州を隈無く観光しました。

それはMDRT世界大会に参加して、大義名分は各国から集まった同業者との情報、知識を交換する神聖な空間を共有する目的ですが、滞在の殆どを観光に費やしました。その他

地中海帆船クルーズは景観の素晴らしさに酔いしれて、アイルランドは古代遺跡「巨人のテーブル」や、古城のホテル「アッシュフォード城ホテル」に感激し、ロシアサンクトペテルブルグエルミタージュ美術館の「琥珀の部屋」に驚愕。今は無いNYツインタワー、等々。

国内では最北端に位置する礼文島利尻島。南では天草のお宿「石山離宮五足のくつ」。

二度と行けないだろう素敵な観光地が蘇ります。

地球規模で襲われたコロナ禍も、3年を経てようやく共存出来そうな様相を呈しています。

観光客も動き始めていますが、退職してからは体調がおぼつかない今は、遠出をする事に自信が無く、旅行は過去の思い出となりました。これまで沢山旅行させて頂けた幸せに感謝です。思い出を生きる術にしている今は、未だ未だアルバムは捨てられません。

            2023年4月

         県立○○西高校近○同窓会 ○○年卒  前根 ○子(旧姓)