[ひとひら、朧」


ひとひら、朧」

劇作家坪田塁脚本による{新風プロジェクト革新}第9弾目の作品です。

{新風プロジェクト革新}とは大衆演劇を広く一般に広める事を第一の目的とした
スペシャルな企画だそうで、今回東京浅草木馬館で上演された大衆演劇作品を
観劇する機会を得ました。
1月27日~1月28日
大衆演劇界の役者橘大五郎誕生日記念公演イベントが2日間に亘って行われました。

大衆演劇をご存じ無い方がいらっしゃると思いますので簡単に説明してみます。
1つの劇団は主に家族を主体に構成されて多少はあるけど大体10~20名で活動されています。
1ヶ月ほぼ毎日出し物を替えて1部ミニショー、2部お芝居、3部舞踊ショーを上演されます。。
普段は昼夜お芝居が変わることもあるのですが、この「ひとひら、朧」が2日間昼夜4回
公演されました。大衆演劇では、1ヶ月約28日間同じお芝居を2度と観る事はありません。
それが大イベントの日に4回も同じお芝居をぶつけてくる主催の劇団に驚異を感じました。

一回目を見終わった時、商業演劇とのコラボと言って良いのでしょうか演出構成を
目新しく感じましたが、ストーリーが読み切れませんでした。
配役   武家の娘   宝海大空(ゲスト))
     弟の家庭教師 橘大五郎
2回目でやっと内容を把握出来て、全編に流れる「願わくば桜の下で」の曲が
胸に染み渡ります。

翌日の3回目はゲストが変わり、昨日の余韻を残す作品を見比べる思議となりました。
配役  武家の娘    橘大五郎
    弟の家庭教師  龍 美麗(ゲスト)
今を盛んな劇作家坪田塁先生の作品に敬意を感じていらっしゃる役者さん達は
いつもはどこかにアドリブを入れて笑わせたりするのですが、昨日も今日も
一切無く、むしろ緊張されてる様子でした。
お芝居が終わって口上挨拶の時、美麗さんが「娘が良くつまずくシーンが有るのは、
脳の病気のせいなんですね。」と言われて、何の情報も無い娘のつまずく所作が

不思議だったのですが、そうだったのか!と気付かされて、改めてストーリーの全容が理解出来て、夜の部の4回目が待ち遠しくなりました。
4回目
配役  武家の娘    橘大五郎
    弟の家庭教師  龍 美麗
この会の主役橘大五郎さんが「願わくば桜の木の下で」の曲をモチーフにして
脚本をお願いしたと言われる「ひとひら、朧」のお芝居は、大衆演劇界でも芸達者な
人気役者を揃えて味わい深いお芝居であれば、4回続けて観ても飽きないと言う
経験をさせて貰いました。
ラストシーンで息を引き取った娘の手を取って、「いつも僕を選んでくれた、、、」
彼の言葉でこの作品の純愛ストーリーを物語っていると思います。

久し振りのブログを書きたい衝動に駆られたお芝居でした。